
現在「モバイルWi-Fiサービス」はかなりの数が出てきていますが「完全無制限」は果たして存在しているのでしょうか?無制限は「制限が無いこと」を意味します。モバイルWi-Fiに“完全”無制限(上限のないネット回線)を求める声はいまだ多いですが、残念ながら現時点では完全無制限は存在しません。
モバイルWi-Fiに「完全無制限」は存在するのか?
ちなみに「無制限」のモバイルWi-Fiを求める声には大きく以下2パターンがあります。
1. 完全に制限がないモバイルWi-Fi
2. 3日10GB制限がないモバイルWi-Fi
元祖ポケットWi-Fiと言えば「WiMAX(ワイマックス)」ですよね。ワイマックスは初期の頃1日で3GBを使うと通信制限がかかっていました。しかし、1日3GBを超える使い方をする利用者が不満を感じた結果多くのユーザーから声が集まり「3日10GBに緩和」されたという流れがあります。
当たり前ですが「1日3GBも使わないユーザーの方が割合は多い」ので、ワイマックス利用者の全員が全員問題視していたわけではありません。しかし、ワイマックスを固定回線として使っている層や、動画を頻繁に再生するユーザーや、高画質で閲覧する方々にとっては制限がかかりやすい状況でした。
私も昔はWiMAXユーザーでした。ただし、職業がエンジニアなので使い方が他の方よりも特殊で「1日に3GBを超える」シチュエーションが意外と多かったのは事実です。1日3GBが緩和されて3日10GBに変更されたあとも頻繁に制限にかかってしまい仕事にならなかった時期もありました。
LTE使い放題(無制限)が登場した2016年の秋
モバイルWi-Fiに詳しい方であれば「FUJI WiFi(フジワイファイ)」の登場は衝撃的だったはずです。何を隠そう当時は『LTE無制限』という記載を信じられない人ばかりで、当初2980円という価格でサービスが開始した直後は申し込みも殺到せず静かに始まったのが「FUJI WiFi」でした。
そしていち早く目をつけたユーチューバーがテストで申し込み行い、実際に使った結果「500GBでも使える」と評判になり瞬く間に申し込みが殺到して、受付を停止したという経緯があります。
以前にも「FUJI WiFiの価格変動をまとめた記事」を書いていますので価格変動についてはぜひリンク先の記事をご一読くださいませ。FUJI WiFiがサービス開始してからの流れをまとめています。
▼2016年10月下旬
月2980円でサービス開始
▼2016年11月下旬
在庫切れ(11月29日火16時に受付停止)
※翌年4月まで在庫不足が続く
ただ、実質無制限ではありましたが「完全無制限」ではありません。インターネット回線は一般的な使い方であれば月に3〜500GBも使えたら大体が事足ります。もし1人なら月に100GBも使わないです。
でも人によっては「動画は4Kで見たい!」「最低でもHD画質以上がいい!」「普段はYoutubeのプレイリストを再生しっぱなしでずっとネットにつなげている!」という使い方の人もいます。
または「家族みんなでインターネット回線を使う」といった環境等、どうしても月に1TB(1000GB)以上使うユーザーがいるのも現実です。そんな状況では多くのモバイルWi-Fiは容量オーバーです。
無制限と完全無制限の違い
先述の通り、WiMAXには3日10GBという制限があります。もし通信容量を超えると少しの間「1Mbps」で我慢しなければなりません。ポケットWi-Fiの代名詞であるWiMAXには制限があるわけです。
しかし、WiMAXのあとに登場したLTE回線を用いたモバイルWi-Fiの大半は「3日10GB」という制限を設けていません。この点を無制限と言っているのが現在のモバイルWi-Fi全般に言える共通点です。
モバイルWi-Fiは「WiMAXにある制限(3日10GB)」を逆手にとって無制限と言っているわけですが、実態は上限値があるモバイルWi-Fiサービスが多く、容量上限は各サービスでも異なります。
さらに完全無制限を期待した人たちが申し込み、殺到した結果、回線を占める割合のバランスで採算が合わなくなり「大容量」へと方向性を変えるサービスが後を絶たないのが現状です。このあたりは無制限のうちに契約したもの勝ちの世界で、ある程度で納得できる人にとっては満足できているようです。
ちなみにフジWi-Fiでは500GB〜1TB(1000GB)使えるとの声もあったり、その他、無制限とうたっているサービスは300〜500GBあたりで上限になったり、サービスによって本当にまちまちです。
そのうち「完全な無制限」もあらわれそうな気はしますね。とはいえ「月に500GB〜1TB(1000GB)も使うユーザー」は一部なので、実際は300GB〜500GB程度を上限目安としてうまく乗り切っているサービスもあります。完全無制限として利用したい層もいるので折り合いがむずかしいところです。
まとめ
無制限は言葉の定義がむずかしいですね。以前にも書きましたが、【すべてに対して“制限がない”と捉えたい側(買い手ならでは)の目線がある一方で、競合他社が制限をかけている部分に対して“制限をかけない”ことを「無制限」と言いたくなる『売り手ならではの目線』もある】のが悩ましい点です。
納得のいくサービスが見つかるといいですが「完全無制限で使いたい」と考えている人は固定回線を引っ張った方がいいです。モバイルWiFiのユーザーは「WiMAXの制限が嫌になった人」も多かったりするのでそういうきっかけであれば意外に「100〜150GB程度の通信」で満足できる可能性もあります。
ぜひ色々なサービスを実際に使って、比較して満足のいくサービスを見つけてください。