結局のところ、モバイルWi-Fiは固定回線代わりに使えるのか?

最近、モバイルWi-Fiのサービスが大量に出てきていますよね。巷の噂では「モバイルWi-Fiは情報弱者が買ってしまうサービス」と思い込んでいる人もいるようなので真実をお伝えいたします。

結局のところ、モバイルWi-Fiは固定回線代わりに使えるのか?

では結論から言います。モバイルWi-Fiは「固定回線代わり」で使えます。ただし、条件があります本記事ではモバイルWi-Fi難民だった管理人がどのようにして最終的に「快適なモバイルWi-Fi」にたどり着いたかを解説させていただきます。現状で声を大にしたいのは「サービス多すぎ」です。

モバイルWi-Fiって何?

まずはすごく基本的なところからご紹介いたします。さて「モバイルWi-Fi」とは何かご存知でしょうか?違う言い方で「ポケットWi-Fiという言葉も聞くけど同じなの?」と思っている人も多いはず。

実はモバイルWi-FiとポケットWi-Fiは完全に同意語です。厳密には「Pocket WiFi」という言葉はソフトバンクが商標を取得している商標キーワードとなっています。

※参照:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

つまり、Pocket WiFiという名称はソフトバンクが使用権利を持っているので他社は同じ名前でサービスを提供できないルールになっています。現時点でも「Pocket WiFi」というサービスはソフトバンクとワイモバイルでしかレンタルを行なっていません。サービス名称の意味合いとしてはポケットに入るWi-Fi(ポケットWi-Fi)もモバイルとして持ち歩けるWi-Fi(モバイルWi-Fi)も同じです。

モバイルWi-Fiの強み

モバイルWi-Fiのメリットや強みについてご紹介いたします。

引っ越すたびにネット回線の工事を行わなくていい

転勤族の方は毎年のように引っ越しを行います。もちろん、転勤族でなくてもより快適な生活・自宅環境を求めて何度も引っ越しを繰り返しているという方もいるはずです。

引っ越した先がビジネスホテルであれば備え付けのWi-Fiが用意されていることもありますが、もしマンションなら自分自身でインターネットを契約しなければなりませんよね。

そんなときに「モバイルWi-Fi」を契約していれば、“新住居へ手持ちの端末を持ち込むだけ”でOKです。事前に電波が入るかどうかチェックしておく必要はありますが、モバイルWi-Fiの中心はソフトバンク回線なのでほとんどがつながります。しかもソフトバンクは高速なので大体は快適に使えます。

Wi-Fiがないお店やカフェでも快適なネット回線が使える

最近はパソコンとスマホの両方を持っている方が増えてきています。パソコンは大きな画面を見ながら、さらに両手入力ができる「キーボード操作が可能」なのでスマホよりも操作性が高いですよね。

しかし、パソコンはスマホと違って単体では回線につながっていないのでインターネットが使えません。そんなときに「モバイルWi-Fi」を持っていれば好きなタイミングでネット回線に接続できます。

スタバのように備え付けのWi-Fiが用意されている店舗もありますが、昔ながらのお店ではWi-Fiが準備されていないこともあるのでそんなときにモバイルWi-Fiは強い味方となってくれるでしょう。

場所や時間を選ばずにインターネット回線を利用できる

モバイルWi-Fi最大の魅力は「場所を選ばない点」です。

バイクで出かけた海沿いでも、車でドライブした高速道路のサービスエリアでも、公園のベンチでも、どこにいてもインターネット回線にすぐつながるのがモバイルWi-Fiの大きな魅力と言えます。

もし、手元のパソコン(またはスマホ)ですぐに快適なインターネット回線が使えると安心です。たとえば旅行先のホテルや旅館など宿泊先によっては「ネット回線」がないこともありますよね。

または「インターネットが使える場所(3Fのみ)」等と限られていたり、特に制限はなくても備え付けの無線ルーター(固定回線をWi-Fi化する機械)の電波が弱くて接続が安定しないこともあります。

しかし、モバイルWi-Fiがあれば電波を拾える場所であればいつでもインターネットを使えます。ただ、モバイルWi-Fiと言っても電波の種類は大きく3つほどあるので何でも良いというわけではありません。

1. WiMAX(ワイマックス)回線
2. 通常SIMのソフトバンク回線
3. ドコモ、au、ソフトバンクの回線(クラウドSIMで自動切り替え)

上記3つではそれぞれ微妙な違いもあるので簡単に補足しておきますね。

WiMAX(ワイマックス)回線

ワイマックス回線には無制限プランがあります。回線はKDDIが保有しているネットワークです。注意点としては3日10GBを超えると一時的に制限がかかって最大1Mbpsへ絞られます。参考までに1Mbpsという速度はYoutubeで画質を480へ落とすと再生ができるくらいのネット回線速度となります。

通常SIMのソフトバンク回線

モバイルWi-Fiの大半はソフトバンクのSIMカードが挿さっています。ソフトバンクは電波を強くするためにずっとプラチナバンドの強化(基地局増加)を行なってきた企業なので回線を提供しています。

Pocket WiFiという商標キーワードを抑えているようにどこよりも早くから「Wi-Fi事業」に目をつけて取り組んできた企業なのでモバイルWi-Fi事業の中心にいるのがソフトバンクです。

ソフトバンク、ワイモバイルではPocket WiFiとして自社回線を提供するサービスを提供していて、ソフトバンク回線のSIMをまとめて他社へ卸したり他社がモバイルWi-Fiを再販する手伝いも行なっています。

ちなみにドコモのモバイルWi-Fiもありますが、サービス規模や全体的なシェア率は低めなので本記事では省略させていただきます。モバイルWi-Fiはソフトバンクが強いです。

ドコモ、au、ソフトバンクの回線(クラウドSIMで自動切り替え)

最近少しずつ増えてきたのが「クラウドWi-Fi」という仕組みです。モバイルWi-Fiには広範囲でクラウドWi-Fiも含まれるので同じ意味になりますがクラウドWi-FiにはSIMカードが挿さっていません。

つまり「モバイルWi-Fi」はさらに細分化されています。話が複雑になってきましたね。

A. SIMカードが挿さったモバイルWi-Fi
B. SIMカードが挿さっていないモバイルWi-Fi(クラウドWi-Fi)

ちなみにクラウドWi-Fiは「ドコモ、au、ソフトバンク」の3種類からもっとも好条件のアンテナに自動で接続してくれます。都会ではソフトバンク中心、山間部ではドコモ等へと切り替わります。

これまではデータ通信容量の上限を「SIMカード側で管理」していましたが、クラウドWi-Fiでは「クラウド上で管理」するようになりデータ通信の管理を大元で一限管理できるようになったわけです。

個人的なおすすめは『3』です。そして「3」は「B(クラウドWi-Fi)」です。上記より「無制限プランで契約できた3なのであれば固定回線の代わりになるもっとも完璧な選択肢」となります。以前に回線の違いについても詳しく別で記事を書いていますのでぜひ併せてお目通しください。

【初心者向け】モバイルWi-FiとポケットWi-FiとクラウドWi-Fiの違い

固定回線って何?

固定回線は自宅内に回線工事を行なって直接回線を引き込むインターネット回線です。

一部の会社では宅内工事をせず「端末とコンセントをつなげるだけ」で使える固定回線もあるので固定回線のすべてに工事が必要というわけでもありません。ちなみにコンセントへ挿すだけで使える工事不要のインターネット回線として有名なのが「ソフトバンクAir」。Wi-Fi事業と固定回線事業の両方でソフトバンクの名前が出るあたりはさすがインターネットビジネスに強い会社ですよね。

固定回線の強み

固定回線の強みを洗い出しておきます。

有線でパソコンに繋ぐとかなり高速で使える

先述の通り、固定回線では自宅に直接回線を引き込みます。光回線では「光ファイバー」と呼ばれる特殊な通信線を宅内に設置する『光回線の終端装置(ONU)』まで引っ張ることになります。

そして高速で使いたい方は「ONUとPCをLANケーブルでつなぐ」と爆速でネット回線が使えます。実際はベストエフォート式なので理論値となりますが結構な速度が出ることが多いです。

ただ、どのみち固定回線は家族全員で使うことが多いので、大半の方が「無線化専用のWi-Fiルーター」を導入して使います。無線化を行うと大幅に通信ロスが出てしまうので速度は落ちます。

また「無線化専用のWi-Fiルーター」のスペックや、「光回線の終端装置(ONU)と無線化専用のWi-Fiルーターを接続するLANケーブルの品質」も関係してくるので外部要因の影響も大きいです。

自宅に固定回線をひいて、さらに「ONUとPC直結でネットを使っている」という方はかなり珍しいので使い方としては相当レアな部類に入ります。ただ最速で使うもっとも賢い接続方法です。

固定電話を低価格で使える

自宅で「固定電話」を使っている人限定で固定回線をひくと電話が安くなるセット割プランがあります。

光回線では光電話も同時契約できて、自宅の固定電話を「光」で動かして、料金を安くするプランも用意されています。今まで固定電話に高い月額料金を支払ってきた方であれば嬉しい内容です。

最近では「固定電話不要論」もあるので何とも言えない部分がありますが、03、06といった番号も1つのブランドなので考え方は人それぞれですね。固定回線をひくことで固定電話をセット割引にできるプランはどこでも用意されているので自宅に固定回線をひく1つの理由になるかもしれません。

毎月1TB等を使う人にとっては安心感がある

P2Pと呼ばれるファイル交換ソフトを使っている方にとっては「データ通信量が命」です。24時間ずっとインターネットにつなぎ、誰かのファイルと、手元のファイルを交換したり、ダウンロード可能なファイルを一方的に落としたりとデータ交換ソフトを使っているユーザーもいまだに多いです。

使い方によっては大容量の映画データや、圧縮された音楽データ等、大きなファイルのやり取りをするので月に500GB程度は誰もがすぐに使ってしまいます。もし相手の都合でダウンロードが途切れたらまた最初からやり直しされるので想像以上にデータ通信量を消費してしまいます。

もちろん、ファイル交換ソフトを使わないユーザーの方が多いので、多くの方は気にする必要すらありませんが使い方は人によってさまざまなので完全無制限の固定回線は安心感があるでしょう。

結局、固定回線の代わりに使えるモバイルWi-Fiはどれ?

常識的な範囲であれば「無制限プランとして契約したクラウドWi-Fi」が固定回線の代わりになります。

もちろんサービスによって提供内容も異なってくるので、判断には時間をかけなければなりません。契約するモバイルWi-Fiで迷っているときは以下2つに注意しておくと良いでしょう。

・どこまでのデータ通信を無制限と言っているのか?
・毎月実際にどれくらいのデータ通信で満足するか?

サービスによっては150〜200GBを「無制限」と言っているモバイルWi-Fiもあります。300GB〜500GBを無制限と言っているサービスもあります。500GB〜1TB(1000GB)のサービスもあります。

なので現在検討しているモバイルWi-Fiがどの程度を上限として無制限と言っているのか?をよく調査してください。状況によっては「そんなの無制限じゃない」と言いたくなる気持ちもわかります。

ただ、事実上モバイルWi-Fiの代表格である「WiMAX(ワイマックス)」が3日10GB制限をかけているなかでその制限を取っ払ったサービスとして無制限モバイルWi-Fiと表現しているのが現実です。

・実際にどの程度で制限がかかるのか?
・制限後に連絡すると解除されるのか?
・指摘したら月額料金の割引があるのか?

こういった点にも目を向けて冷静にサービスを選定していくのが吉です。伝説のフジWi-Fiのクラウドプランを契約できたユーザーからは「500GB以上使っても制限がかからない」との声もあります。しかし、現在フジWi-Fiは「無制限プラン」の新規受付は停止しているので申し込めません。

普段1ヶ月でどれくらいのデータ通信を使っていのかを調べるアプリもあるのでまずは自分自身の平均使用量の平均値を出してみて契約に進めてみるのもおすすめです。焦っての契約はトラブルの元です。

まとめ

本日はモバイルWi-Fiと固定回線について解説いたしました。個人的にはモバイルWi-Fi一択ですが残念ながら「モバイルWi-Fiは情報弱者が契約する」という声もあります。

・情報を正しく仕入れて、賢く判断して、自ら決断する

もし間違ったらまた別の方法でやり直して「より理想へと近づけていく」という考え方も大切です。月に何GB使うのかを一度あらためて考えてみて理想のネット環境を見つけ出してください。当たり前ですが自分自身が毎月何GB使うのか調べるアプリもいくつかチェックして色々と試すのがおすすめです。

モバイルWi-Fiは種類が多すぎて無制限かどうかなど具体的な違いがわからないサービスも多いですよね。当ウェブサイトでは「安心の使い放題が3000円台で使用できるモバイルWi-Fi」をおすすめしています。
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